島根県糖尿病療養指導士第11期、第3回認定研修会報告
日時:令和元年 6月22日(土)~6月23日(日)
場所:サン・レイク(島根県立青少年の家)
【研修講義内容】
【運動療法】
講師:松江赤十字病院 リハビリテーション課 渡邊剛先生
運動療法の重要性を研究データなどで示された。
実際に脈拍から運動強度を計算し、有酸素運動とレジスタンス運動を体験した。
また、低・中・高負荷の運動療法の違いや患者さんへ説明するときのポイントを分かりやすく講義された。
【血糖自己測定実習・インスリン実習】
講師:かわたに薬局 川谷恭典先生
松江赤十字病院 青山真理先生
SMBGについて、原理や測定値に影響を及ぼす事象について講義された。
また、インスリン製剤の違いや、保存の注意点、各々の患者さんの特徴にあわせたインスリン製剤の選び方などについて分かりやすく要点をまとめて講義された。
その後、実際にSMBGを4種類のデバイスで体験し、生理食塩液を用いてインスリンの自己注射を体験した。
【糖尿病と心理】
講師:福庭内科医院 福庭洋先生
慢性疾患である糖尿病のコントロールは、長期にわたり自己管理が必須で、その中で生じる医療者側と患者側の心理状態を、実際に先生が経験された症例をまじえながら丁寧に講義された。
また、コンプライアンスとアドヒアランスの違いについて説明され、医療者側はアドヒアランスと思って関わっていることがコンプライアンス的になっていないか、いま一度考えてみるのもよいと問題提起された。
また、糖尿病患者の視点・心理を理解していく上で、セルフエフィカシー、エンパワーメント、行動変化のステージなどについても分かりやすく講義された。
【調理実習】
講師:松江赤十字病院 栄養課 安原みずほ先生
各班、工夫を凝らした食事を調理し、講師の先生や研修委員も一緒に実食した。
食事前のSMBGとインスリン自己注射を実施することで患者さんの日常生活の様子を体験した。
【実習:腎症の食事】
講師:松江赤十字病院安原みずほ先生
腎症の食事療法について、病期によるポイントを講義された。病期によって内容が変わり患者は混乱するので、こまめに栄養指導をすることが必要である。10月の調理実習に向けて、今回の調理実習の献立を、それぞれ腎症の献立に組み替えるイメージを解説された。
【グループワーク:2日間患者体験してみて】
講師:手納医院手納信一先生
研修の前後で糖尿病の困難さについてどう思ったか、患者体験をしてみて糖尿病のある患者の生活についてどう考えたか、これからの療養指導に活かしたいこと・変えていきたいこと、を各グループで話し合い、共有した。
【実習:口腔ケア】
講師:雲南市役所安部美智野先生
歯の基礎知識、歯周病、検査、治療について講義された。歯周病と糖尿病との関係、災害時の備えについても講義され、医科と歯科の協力で糖尿病の負のスパイラルに介入していくことの必要性についてまとめられた。また、実際に鏡を見ながら口腔内の観察ポイントの解説をされ、ブラッシングのポイントの説明をしながら歯ブラシの使い方を説明された。
- 運動療法
- 血糖自己測定実習・インスリン実習
- 糖尿病と心理
- 調理実習
- 実習:口腔ケア
作成者:第10期島根県糖尿病療養指導士チーム出雲